さらざんまい 戯言@ざれざんまい3

4話で、由利鴎という、怪しげな三下風味のチンピラが出てきました。

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やけに気合の入ったロゴマークを背に、堂々と出ています。悠が拳銃で撃ってしまった輩です。このチンピラの名前には「カモメ」が入っています。こうなると、燕太の「燕」が非常に気になります。なぜ、燕なのか。

 

1、エンタの神様から、お笑い枠として

2、Enterを文字った

3、越冬するから(違う場所から違う場所へと移動する)

4、幸福の王子から

5、小次郎の燕返しから

6、名古屋三山から

7、東京ヤクルトスワローズから

8、落語家・柳家つばめから

 

1は無いと思います。微妙にお笑い枠ですが。

2は無いとも言い切れず、Enterに何かしらの意味があるのかもしれません。

3はあちらとこちらを行き来していると考えれば、無くもないかなと思います。

4は王子を一稀と置き換えた場合、一稀の願いを叶えたいという想いが重なるように思えます。

5は必殺技的なものがあるとしても、サッカー関連な気がしますので、無さそうです。

6は出雲阿国と連動して考えれば、無くはないかな?と思います。

7は無いでしょう。大人の事情を無視してはダメ

8については後述にて。

 

この中で、ありえそうなのは、3,4,6です。名前には何かしら意味があると思うのです。過去アニメ作品それぞれ、登場人物の名前には必ずと言っていいレベルで、意味がありました。ただそれを名言されたことは、私が記憶している限り1度も無かったと思います。

悠は兄・誓からして、名前の意味は非常にわかりやすいです。一稀の、場合「稀」に意味があるのかな?と思いましたが「希望の皿」で「希」被りになるからかなぁ。とも考えました。でもそれなら「樹」でも「機」でもいいわけで「稀(マレ)」にした意味も、何かしらあるのだと思います。燕太も「燕」という字を何故使うのか。

そこにきて「由利鴎」と言う登場人物が現れました。彼について、ただのモブというには、気合が入りすぎています。そして悠と誓の過去にも、非常に大きな鍵を持つ人物です。勿論悪い意味で。燕と鴎。同じ鳥ですし、鴎はああ、ユリカモメねーと言えばそこまでではありますが、どうも水や川に関連している気がするのに「蛍」や「蜻蛉」「ゲンゴロウ」というような、虫でもない。鳥です。鳥でも白鳥ではない。鶴でもない。燕です。なぜ燕なのか。謎です。だとすると、鳥にしたかった理由があるのかな?と、余計な事を考えてしまいます。正直、隅田川周辺に蛍が舞う風景は、非常に幻想的でもあり、切なさも彷彿とします。勿論想像の中で…ですが。ソレと同時に、いわゆるあの世への想いも沸き立ちます。

燕太の名前について、不思議は不思議ではありますが、んなことどーでもいいんだよ!となりそうでもありますので、この点はもう少し話が進むか、ラストまで見終わってからまた、考え纏めたいと思います。

が!由利 鴎については、放置してはいけないでしょう。あの扱いは、他のモブとは別格です。わざわざロゴを用いてくるあたり、意味があるはず。

彼は多分、悠・誓兄弟によって、肉体的な死があったかもしれません。ですが、このさらざんまいと言う作品において、肉体的な死のあとにも存在する道があります。体内の尻小玉は抜かれていません。これは、久慈兄弟のご両親も同じです。尻小玉が残っている限り、存在は消えないのです。だとすると、由利 鴎もご両親も何かしらの形で存在している。これを欲望と呼んでいいのか、非常に悩むのですが、久慈家のご両親は兄弟や家業に関して何かしらの欲望があったとしたら、今それが叶っている形なのかもしれません。善悪の議論ではなく、ただただ強く生きてほしい。蕎麦屋を潰して欲しくない。など等。欲望というよりは希望でもあり、欲か希の違いでしかなく同じ「望」です。ソレを引き継ぎ、叶えようとするものがいる。これはまさしく繋がり以外の何物でもありません。つながりを持つ人が、現世にいる。これは非常に大きい。死者の声が聞こえる訳ではありませんが、想いは伝わっている気がします。その象徴的なものが「飴」なのかもしれないです。

※またまた話が脱線しますが、死者の声という発想は「想像ラジオ」に通じるものがあります。いとうせいこう氏の作品です。これもまた、色々と考えさせられる物語でした。

それに引き換え、由利の欲望は、引き継ぐ人がいるのでしょうか?手下はどうも馬鹿っぽいですし、兄貴が死んだらどうしたのでしょう?こうなると、由利はカパゾンビになりえる資質を備えていると言えるのでは無いでしょうか。もしかしたら、彼にも本当に繋がれる人が居たかもしれませんが、現時点ではその様に思えません。

 

ここまで考えて、蛍というのが個人的にとてもひっかかりました。水辺で生死を現す時に良く出るのは、ホタル。個人的な固定観念で、火垂るの墓の影響かもしれませんが。

蛍に関しては、水上バスに「ホタルナ」というのがあります。

詳しくはこちら↓

www.suijobus.co.jp

 

ホタルナで思い出したのは、もう一つ「ヒミコ」と言うものがあります。同じ水上バスなのですが、ヒミコに関しては、サラちゃんが巫女服風なのも、ヒミコから?といえばそうかなぁ?と考えたり。浅草寺つながり?と当初は思いましたが、彼女はお寺的なものより、吾妻という橋の名前から、水上バスのほうが近いかも?と現時点では思います。ただ、由利鴎とサラちゃんを同じにしてはいけません。

と、ユリカモメという何かしらゲス臭のする登場人物からここまできましたが。水上バスで行けるのは、お台場ですし、浅草界隈から離れ…って!お台場!?そうか!確か、さらざんまいが放送されているのは…と、ここまで妄想が来ました…w

確かに浅草を舞台にしたアニメは、お台場の放送局に繋がり、そこから私達の元へ届けるために、またまたスカイツリーから電波を…と、超繋がってましたwこれは、アニメに直接関係ないと思いますが。

 

※これまた関係ないのですが、同じく水上バスに「道灌」という名前のものがあります。太田道灌由来の名前で、落語にも「道灌」という、演目があります。

 道灌は、狩りに行った際、突然の雨に降られてしまいます。いきなりの雨だったものですから、どうしようかと悩んでいたところ、一軒のあばら家を見つけます。そこへ向かった道灌は、あばら家の住人に雨具を借りようとしました。ところが、家から出てきたのは年端もいかない娘で、その娘は一輪の山吹をお盆の上に乗せ「おはずかしゅうございます」と、道灌へ差し出しました。道灌はこの娘に、雨具ではなく花一輪を出すとは何事か。と大変立腹しました。そしてそのまま、帰っていきました。

その夜「蓮ならまだ解るが、花の一輪でどうしろというのだ」こう言う道灌に、家来の一人が前に出て、その山吹は「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだになきぞ悲しき」と言う意味で、お貸しするほどの蓑も無いほど、我が家は貧しいのです。とその娘は言いたかったのでしょうと言いました。それを聞いた道灌は「余は歌道に暗い」と、自身の無知を恥じ、それから和歌の勉強をした。という逸話を元にした落語です。和歌といえば、万葉集万葉集といえば新元号。直接さらざんまいの世界には関係のないお話ではありますが、作品を読み解こうとして、色々思い巡らし、そういえば!と考えていく作業の中で、様々な物に出会えます。それは、新たな好奇心を産み出す作業でもあって、知識と言うと大袈裟ですが、知らなかった事を知れるという喜びもあります。それひとつとっても、非常に楽しく、幾原監督の作る世界に感謝するばかりです。

そういえば、燕太の家にも寄席文字で書かれた名前が飾ってありました。もしかしたら落語家さんの名前かもしれません。おばあちゃんがお好きなのかもですね。作品のテイストも、どこか落語を感じる所もありますし。特にウテナの影絵少女は、その最もたる存在だった気がします。

ここで、燕太の名前がなぜ「燕」なのか?と、最初に書いた所にもどります。8番目の「柳家 つばめ」から。これは無いと思います。そしてここからは想像でしかありませんが…。幾原監督ご自身も、落語がお好きなんじゃないかな?と思います。勿論作品に関係あるとかは別にして。仮に関係があるのでしたら、オチとして燕太が居る。と言う風になってくるかもしれません。

 

もうひとつは、河童かカワウソかと、二極化されてますが、人が河童になれるのであれば、カワウソになる事も可能なのでは?と思います。由利鴎がカパゾンビではなく、カワウソになった場合があるとしたら、トンデモ展開ですが、燕太もカワウソになるパターンも無くはないかな?と思います。この場合、そもそも論で、河童とカワウソの存在定義が非常にわかりにくく、二極化している対立構造もいまだ不明です。欲望を必要としているのはカワウソ側。河童側のケッピは、尻小玉=欲望を敢えて必要とは言っていません。「助けて欲しい」こう言い、そのあと尻小玉を抜いているのです。欲望が必要なのは、今の所カワウソ側であり、河童側ではない。そして、カパゾンビと化したゾンビの尻小玉を、昇華しているのが河童側です。この構造から見えるのは、欲望を取り、ゾンビ化してしまうカワウソを止めたいのが河童側。セーラームーン的な話で、美しい夢が必要だ的なアレです。それを止めるペガサス。もしくは、Rの魔界樹。対立構造は、このあたりと非常に似ているかもしれません。そういえば、3話のサラレポートは、鳥に関しての調理法がありました。3話までは、前回のサラレポートが、カパゾンビのヒントになっていましたが、4話では3話のサラレポートは、余り関係がない「ソバ」でした。だとしたら、3話の鳥の調理については、なんだったんだろう?となります。鳥に関しては、由利と燕太がいます。やはり、由利は結構なキーになりそうです。と、今気づきました。気づくのが遅い…。そういえばソバゾンビの本体は「あひる」でした。アヒルなのでわからなかったのですが、あれは「鴨ソバ」なのですね。だから鳥。やはり、何かしら繋がっていました。

 

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4話回収。ソバゾンビのスマホ

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久慈家のご両親。ちなみにご位牌の「居士」と「大姉」は、信士・信女の上のランク。ご両親の死因はわからないですが、久慈兄弟が、戒名のランクを上げる為のお金を持っていたとは思えません。借金取りからの催促の張り紙がありましたし。苗字の「慈」の後に院がある事も踏まえますと、ご両親は生前に、お寺様への信仰が厚かった。信心深かったという事になります。お布施をいつもきちんとなさっていたり、お寺での祭事の折にはお手伝いをなさったり。お寺様や地域との関わりや繋がりを、大事になさっておられたんだろう事は読み取れます。また、道号はその人の人柄・趣味・仕事などがつけられますから、父は清い心の人、悪いことはダメと言ってた。と悠も言ってましたので、そのままだったのでしょう。母は優しい人。蕎麦という文字もご夫婦で一文字づつ冠してますので、お二人で蕎麦屋を営んでいた事もわかります。

 

※2階に貼ってあった、燕太も持っていたサッカー関連のポスター。ブラジル国旗模様が書かれているものです。ここに立つ人物は、ミスリードのためかもしれませんが、燕太にみえて仕方ありません。さらっとポーズも同じ、今現在着ているユニフォームも同じ。髪の色も同じ。違いは背の高さだけ。そこからみると、未来?の燕太なのかな?と思わず思いますが、それですと時間軸がおかしなことになります。過去と未来が干渉しあう世界なのか、それともわざと燕太と思わせる為のものなのか。

燕太の燕。越冬して海外に行く。というのも、このためか!と、納得できるのですが、仮にそうでも、未来のものがなぜ今ここにあるの?という謎しか生まれません。この世界の時間軸が、非常に気になります。

 

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ZARDの こんなにそーばにいるのにぃ~♪黙らないでLovi'n youではありません。蕎麦です。 

 

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2007年。ここは間違いなくかなり重要になるはずです。レオとマブのTwitterにも、07~08年を彷彿とするものがたくさんありました。当時の悠は、計算すると2歳。今から12年前。誓の年齢は不詳ですが、写真を見る限り、10~12歳の間くらい?かもしれません。レオとマブは当時から警察官だった様ですから、当時20歳そこそこだとしても、現在30歳越え。なぜ歳を取らない!ずるい。08年からスカイツリーが着工されます。

 

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「この世界は悪い奴が生き残るんだ。あいつは俺が殺した。…この銃でな」

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「俺たち兄弟は”この世界”で生き残る。どんな手を使っても…わかったな」

このシーンが、4話での見せ場だと思います。悪事に手を染める兄弟。それは正当化できるものでは無いかもしれません。正当防衛とは言え、幼い悠にとってこれほどダメージの受ける出来事はキツすぎます。

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誓からのメッセージ。アイコンも飴を咥えています。悠もスマホを、持っていたのですね。ガラケはあくまでも、新鮮なお野菜の取引用という所でしょうか。事情も気になります。

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場所かわって、レオとマブ。鉢?太鼓の中?でしょうか。縁には燭台…仏具の蝋燭立てにも見えるような物も。

ここでレオとマブが「欲望レベルを上げる」と言ってました。4話までのカパゾンビたちよりも、何かのレベルが強い者をターゲットにするのだと思われます。欲望のレベルが高いとはどういうことなのか。4話から読み取れるのは、欲望を隠す事なく発散していた事。誰かにバレないというだけで、行動に移していました。もしかすると、行動できない欲望のほうが、ある意味危険な気もします。ですが人には理性がありますので、それで抑制されている。その理性の箍が外れると…。レベルをあげると言う意味が今の所、これくらいしか思いつきませんので、5話待ちな状態です。

 

 

 

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燕太、エクソシスト

これを真面目に語ろうか、語るまいか悩みましたが、真面目に考えて見ます。このブリッジポーズは、いうまでもなく

エクソシスト (映画) - Wikipedia

↑これです。この中で、悪魔に取り付かれた少女が見せた、奇抜なポーズ。この状態で階段を下りてくるのです。怖い!ポーズに込められた意味は、常人じゃない・悪魔に取り付かれている異常さ・普通では出来ないポーズなど、特殊性を現すために使われたと思われます※個人的感想です

これらを踏まえて、なぜこのタイミングで燕太にさせたのか?監督の趣味なのか、何かしら意味があるのか。ユリ熊の時も、サスペリアモチーフのものが割りと出てきました。が、モチーフなだけであまり意味がなかった様な…。「春河が嫌いだ…」と言うシーンにいくまでが、平々凡々になりがちな絵面を、軽快にしたかった。とも受け止められますし、もう燕太は、普通の人間じゃない。とも受け止められます。インパクトはかなりありましたので。

今の所は、深い意味がやっぱり無いと思いますが、どうでしょうか…。