フォローされたら終わり 犯人は壮太郎なのか?

まず壮太郎から考えて見ます。

 

彼は1話時点で、百万円社長の話に一切乗りませんでした。

もし、梶浦が百万円社長の事を言わなければ、ちはるがそれに乗って話を広げなければ、誰もフォローはしていなかったはずです。

辛うじて、SNS狂いの梶浦が、美味しいアカウントに飛びつくだろうと予測しても、集まりの場で言い出す可能性は半々です。壮太郎がそこまで計画的に出来たのか、疑問しかありません。

 

ゆまへの気持ちも、嘘だったと言われると、見ている側は困惑しかありません。これまで散々苦悩したり、喜んだり落ち込んだりする姿を見せられてきました。それが全部嘘だとすると、何を信じたらいいのかわからなくなります。その線引きさえも曖昧になってしまうと、物語として破綻してしまいます。

ですので、ゆまへの気持ちに偽りは無かった。そう考えていいと思います。

ではなぜ、壮太郎はああ言う事をしたのでしょう?

 

ポイントになるのは、ミズキと姫野先生です。

壮太郎は、純子の病室で「姫野先生」への疑惑を、純子から聞かされました。それを否定しようとしましたが、うまく言えなかった。

そこにきて、ミズキというゆまに付きまとう輩も現れました。

しかも、自分からミズキビルに呼び出しておいて、足を運んだらゆまが居て、ミズキは知らぬ存ぜぬという顔をし、壮太郎が百万円社長だと言い出す始末。結果、ゆまにまで疑われてしまうことに。

ハメられたと思うでしょうし、壮太郎の立場では「コイツが百万円社長か?」と、ミズキに対して疑惑を持つのも当然です。

後藤の店で、思い悩む壮太郎。後藤が少々、可哀想ですけれども…。

 

翌朝、壮太郎はミズキビルへ行き、ミズキ本人に「百万円社長なのか?」と問い詰めました。ミズキは否定した。そうなると、純子の言う様に姫野先生なのか?という気持ちが芽生えたのだと思います。

その証拠にその後、純子の病室へ行っています。そこで相談したのは、姫野先生を探し出したいと言う事。純子に「先生を探して何を話すの?」と聞かれ、壮太郎は返事をしませんでした。聞きたいことの中には、百万円社長なのか?も含まれていたのだと推測できます。

ですが思い直した。SNSで傷つけられた事や、嫌な思い出がよみがえった。自分も同じ事しようとしているのではないのか?と、振り返る事が出来たのだと思います。

 

そして、姫野先生に会ったとき。

壮太郎はこう言っていました。

「先生は、SNSで傷ついてた俺の変わりに、動画に映ってくれましたよね」

そのあと、姫野先生と色々話す事で、壮太郎の心境に変化が生まれたのだと思います。

誰かが誰かを疑ったり、誰かが誰かを陥れたり、SNSで嫌な思いをしただろう姫野先生や、自分の様になって欲しくない。陥れてる誰かも傷ついてるのかもしれない。

様々な事を考えたのだと思います。そうやって、疑心暗鬼になって行き、仲間が壊れるのは壮太郎にとって一番辛かったのではないでしょうか。

 

犯人が誰であっても、もうこれ以上傷ついて欲しくないと思っているのではないでしょうか。そして、バカな事はやめて欲しいと願っているのかもしれません。

自分が百万円社長だと名乗ることを、先生と話す事で決めたのだと思います。

SNSが嫌いだからといって、大事な事から目を逸らしていた。実際、マサトくんのDMで姫野先生に会えたのですから。良い面もあった。

 

自分が百万円社長だと信じてもらうには、単に「俺がやった」だけでは、何も伝わりません。だから、かなり過激な方法…ゆまを拘束し、新藤を気絶させた。血が出るほど殴る必要があるのか?ですが、ここは中途半端にやるよりは、本気でやったほうがいいと判断したのか、血糊なのか判断をしかねます。ただ、新藤の眼鏡が割れていない事、ちゃんと掛けられていることから、リビングに運んだ後、眼鏡は壮太郎が掛けたのではないのかな?と思います。

 

 

壮太郎は真犯人を知らない。この場合、誰か特定の人物を庇っているのではなく、仲間だろうがなんだろうがもう、疑心暗鬼になって誰かが誰かを罵倒したり、傷つけあって欲しくない。それが一番強い気持ちなのではないでしょうか。

壮太郎は真犯人を知っている。この場合、庇う相手・予測できる人物はもう、一人しか居ないと思います。が、ここもよくよく考えてみようと思います。

ですがどちらにしろ、根本的に庇う気持ちは犯人をしっていようが、そうでなかろうが、同じ気持ちで、自分だと名乗っていると思います。

どちらのほうが、可能性が高いか?となると、真犯人を知ったから。の方が、壮太郎のあのリミッターの振り切り様は、納得できる面があるかもしれません。

 

SNSを使って、何かを晒したり、拡散することの怖さも、自身の経験と姫野先生の話で十分に理解しているはず。使い方ひとつで、人生さえも変わってしまう。その上で、姫野先生は誰のことも恨んでなく、謝らなくていいと言いました。自分も迷惑かけまくったからと。

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壮太郎にとって、姫野先生は今でも先生であり、人を疑うことの愚かさを学んだのではないでしょうか。そのために、姫野先生という存在は、このドラマにおいて絶対的に必要だった。壮太郎が、俺が百万円社長だというきっかけとなったのは、姫野先生の存在があってこそです。

 

もうひとつ、壮太郎は純子にこう言っていました。

「間違えたと思ったら、またやり直せばいい」

 

 

真犯人は、壮太郎ではない。ですが、皆の前から姿は消しているかもしれません。予告では1ヶ月後に皆が集まる様ですから、その時に姿を現すのか、そうでないのか。

 

私は、壮太郎は真犯人ではないと思います。姫野先生も。

この二人が犯人だった場合、ドラマの全てが崩れてしまいます。

14話ラストの展開は、壮太郎の裏の顔「SNS嫌い」の回収も、含まれていると思います。