ユリ熊嵐 9話~あの娘たちの未来~その1
「ねぇ澪愛…。私ね…貴方の事が、本当に…本当に…」
「ずっと、ともだちよね…」
怒涛の「カイソウ」回な9話でした。そして、とても刹那的で、胸が苦しくなる回でもありました。
8話のラスト、口パクで終わり「えええ?!雷、邪魔邪魔ジャマーだわ!」だった訳ですが。
あの後、やはり紅羽は猟銃を撃った様です。
どこを撃たれたのか、命中したのかはわかりませんが、銀子は吹っ飛んでしまっています。
銃弾を受ける事が「約束のキス」なんだ。と銀子は言っていました。銃弾を受けたのか気になりますし、それが本当に「約束のキス」だったのか、この辺りはわからないままです。
「チョーやばくない?」「また熊が出たんですって」「でもすぐに駆除されたって…」「またあの子が…」と、相変わらず噂話をしている嵐が丘学園の生徒達。「だけどチョーここだけの話。まだ生きてるらしいのよ」
やはり、花壇のここは扉でした。学園の扉の模様と同じでしたので、予想はついていたとは言え、かなりシステマティックな作りです。そして、扉に浮かび上がる模様は、断絶のコートの物とかなり被ります。
扉が開く前の花壇の状態です。
こちらが、システムが動いた後の状態です。手すり部分が綺麗に無くなっています。
扉が開いた向こう側にあったのは、銀子も戦っていたあの戦場です。そこには、予告で出てきたベッドが置いてありました。ベッドには銀子が寝ています。そのそばには蜜子が居ました。扉を開けたのも蜜子です。
彼女はこう言います「ともだちの扉へようこそ。おばかさん」と。そして、クスッと小さく笑います。とってもユリダークな雰囲気を醸し出しています。
ここが、ともだちの扉だったのですね。いつも何か事件が起きるのは、この場所でした。それに意味があるのか、気になります。
場所は、ユリーカの執務室へ移ります。邪魔者は全部居なくなった。とほくそ笑むユリーカ。「百合城銀子。あの嵐の夜、澪愛が星のペンダントを与えた娘」 やはり謎です。どうしてあのクマが銀子だと言う事を、ユリーカは知っていたのでしょうか。知っていて学園に呼んだのでしょうか。凄く疑問です。
「愚かな娘。スキをもらえず、奈落へ落ちた。いけないのは自分よ?百合ヶ咲るるの「スキ」に気づいていながら、見てみぬふり。あげく、彼女を捨てようとした。その罪の報いだわ」
ユリーカは、銀子の事をこう、一人呟きます。
確かに、8話でるるは「捨てないで!」と、銀子を引きとめようとしました。ですが、銀子は振り向きませんでした。その報復で、紅羽に真実を告げたのでしょうか。すべてユリーカの計画通りだったようです。何もかもお見通しなユリーカ。
落ちていく銀子の胸には、まだ星のペンダントはついています。先に星のペンダントだけ、落ちたのでは?と思ったのですが。
箱の引き出しに入っていた物。紙の束のようです。それを見ながら
今日、私は、椿輝紅羽を食べるわ!ぎゃるるるるる!と宣言するユリーカ。
そして、ユリーカの言う「奈落へ」の場所が、ともだちの扉のようです。場面はそちらへ変わります。
黒を基調としたベッド。なかなかダークな雰囲気満点です。が、やはり天蓋のピンクのリボンが、星のペンダントを彷彿とさせます。そして、銀子の胸には星のペンダントはありません。撃たれた時にはずれてしまったのでしょうか。でも、クマ状態で落ちていく時には、つけていたのですが…。ヒト状態の時にはつけていない。クマ状態の時にはつけている。この差に意味があるのか、無いのか。
目覚めた銀子のそばには、蜜子が居ます。蜜子を見た銀子は「君は死んだはずだ。がうがう」と、蜜子の存在が少々、不思議な様子。こんな時にも「がうがう」は忘れない銀子。蜜子も、死んだ事を認め、今の自分は銀子にしか見えていないと言います。自分の存在は、銀子の中に潜む「欲望と言う名の幽霊」という事にしておきましょ。と表現しました。欲望と言う名の…と聞くと、名作「欲望と言う名の電車」を思い出させます。
4話でるるも「Desire」と何度と無く繰り返します。
※このDesire、欲望と言う名の電車に出てくる、電車の名前でもあります。主人公ブランチは「Desire(欲望)」と言う名の電車に乗り「墓場」という電車に乗り換え「極楽」と言う駅に降ります。彼女は、虚言壁・妄想壁・現実逃避と、様々な癖のある人物なのですが、それは彼女が歩んできた人生がそうさせた面と、もとからの性格が生んだ人格とも言える様なそんな主人公。彼女はラスト、精神を崩壊させてしまうのですが…。この物語にも、多くの「エゴ」や、ラストシーンには象徴的な「鏡」が出てきます。また、彼女だけではなく、登場する人物それぞれが、それぞれの「エゴ」を抱えています。
彼女は、実年齢よりも若く見える事を望みました。魔法を欲しました。そして、「老いも若いも、皆朽ちていくのよ」「死の反対は欲望」など、様々な名言を放ちます。憐れな程に。このあたりは、蜜子の説く「欲望」とそっくりです。ただ、こちらのブランチと言う女主人公は、あまりにも憐れで、あまりにも痛々しい人生を歩んできた人でした。蜜子の過去にも迫る回があるとしたら…。どういう過去を歩んできたのか、非常に興味があります。ブランチは、見栄と虚栄心、高慢さがゆえに招いた悲劇もありました。ですが彼女は、男たちのエゴや傲慢さにも翻弄された人でした。
また別作品なのですが、老いも若いも~は、少々マイナーな映画になりますが、キューブリックの映画「バリーリンドン」のラストの台詞「美しい者も醜い者も今は同じ全てあの世」と、よく似ているかもしれません。
この2作品は、個人的見解でしかないですが、どことなく「風と共に去りぬ」を彷彿としました。
「ここは?」と聞く銀子に「ともだちの扉よ。月と森。二つの世界を分かつ、空の真ん中。本物のスキが試される場所」と答える蜜子。絵本の通りだとしたら、鏡が置いてある場所と言う事に。
次は、蜜子が銀子に聞きます。「ねぇおしえて?あなたはどうやって、泉乃純花を殺したの?」と。
ここから、カイソウが始まります。まずは、1話の花壇が荒らされた場面へ。紅羽・純花・蜜子が居る所へ、レンガが落とされたシーン。あの時レンガを落としたのは、赤江カチューシャとばかり思っていましたが。コレを見ると「銀子なの?」と思ってしまいます。
蜜子はこの時に、自分とこのみ以外のクマが、嵐が丘学園内に居て紅羽を狙うライバルが居る。と感じたらしいです。急がないと、ほかのクマに食べられてしまう。だから…
帰り道、純花と二人になった蜜子は、純花に「私達で、サプライズしない?」と提案します。咲き頃の百合の苗を手に入れられるかもしれない。ここまで聞いて、純花は嬉しそうにしますが、その後「だから、私達二人で椿輝さんより先に行って、花壇を新しい百合でいっぱいにしましょうよ」と続けるのを聞いて、表情を曇らせます。
「でもそれじゃ…」言いかける純花の言葉を遮り、「椿輝さん、きっと喜ぶわぁ!まるで魔法みたいじゃない?」と、銀子が少々強引に押し切ります。
純花にしてみたら、紅羽と一緒に花壇を作る事、一緒に穢れる事に意味があるんだと思います。だから、紅羽と一緒でないと。と言いたかったのかも知れない。この気持ちを、蜜子がわかってて強引に押し切ったのか、それともそんな感情は理解できないのかは、わかりません。が、ここで使われる「魔法」と言う言葉が、先程の欲望と言う名の~をやはり思い出してしまいます。8話でも、彼の履いている靴は、オズの魔法使いを連想させるものでした。この中での「魔法」と言うのは、大きな意味は無いのかもしれないですし、一般的に言われる魔法とは、少々意味合いも違うとは思います。実際、呪文めいた事を言ったり、魔法の力でうんぬんかんぬんは、今の所ありませんし、そもそもそういった物語では無いはずですので…。ですが、魔法というものが、何かの暗喩なのか、何かを指しているのか、と言う事は少し気になる所ではあります。ここで「魔法」と言う言葉を使わずとも、意味は通じます。それを使っている所に、なんだか引っかかりを覚えてしまいます。
銀子の足を拭き拭きしながら、純花は、紅羽のためと言えば、なんでもしたわぁ~と、回想する蜜子。ほら、正直に言っちゃいなさいよ。と甘く囁きながら、銀子の足をがぶっと噛んで、じゅるり。とやってみたり。なかなかユリユリしいです。
「あなたは、泉乃純花が私に狙われている事を…知った」
もういっちょ!回想が入ります。同じ時系列での出来事です。
「気づいてたのよぉ?あなたがこっそり、泉乃さんの後をつけてた事」 でしょうね!と言うくらい、思い切り見えている銀子。でも、こっそりです。こっそりです。
蜜子と別れた純花。そこへ、銀子がやってきます。
「その花、好きなの?」ワゴン車で売られている百合を見ている純花に、声をかける銀子。「え?」急に声をかけられて振り返る純花。
銀子は「がうがう」言わないのかっ!と思いましたが、いつも言っている訳ではないのですね>< その花。と言う辺り、「百合」と言う名前を知らないのか、無頓着なのか。知っているけれど、その花と言ったのか。無頓着ちゃんならば、銀子は性別的には「女子」なのでしょうけれども、どことなく「男子」っぽさというか「少年」っぽさを持ち合わせてる感じが、個人的にではありますが、5話以降感じていたりしています。
純花の購入した百合を「くんくん」と嗅ぐ銀子。こういう仕草は、凄く可愛いですよね。2話の椿輝邸でも、紅羽の出してくれたお茶を、くんくんと嗅いでいる仕草が、とても可愛らしく思えました。
ここのやり取りは、観る人によって様々な感じ方・捉え方が出来る場面だと思います。
「良い香りだよね。あなたも百合の花が好きなの?」純花は銀子に、気さくに話かけます。
「私はね、この花に大切な思い出があるんだ。大好きなともだちとの、大切な思い出…」
紅羽と一緒に穢れながら、花壇を作った事。嵐の中、ブルーシートで花壇を守った事。紅羽と共有している、二人の思い出があります。
銀子は、そんな純花の話を、黙って聞いていました。
「私はスキを諦めない」
純花がふいに発したこの言葉がでるまで。この言葉で、銀子の表情が「ハッ」としたように、目を見開きます。
「私がもらったスキは、誰にも奪えないから」
天使のような表情で語る純花。
そんな純花の言葉に、思わず足を止める銀子。それに気づいた純花は、「ごっ…ごめんなさい!私、会ったばかりなのに、変なことばかり話しちゃって…」と、銀子に駆け寄ります。
純花は、本当に優しい子なんだと思います。嫌になるほどに…。
これが、蜜子のような子だったら銀子も、遠慮なく紅羽を奪おうと思えたかもしれません。
ここでの銀子の気持ちの揺れ動きは、後々銀子をかなり苦しめる事になるんだと思います。
純花に対して、強い嫉妬心を抱いたと同時に、もしかすると純花に対して、純粋な「ともだちとしての芽」も、ほんのりとかも知れませんが、気持ちの中に芽生え始めようとしていたのかもです。
紅羽への恋慕と独占欲は、かなり強い物ですし、銀子の場合、それだけではなく、それ自体がまるで人生の命題のように、果たすべき使命のように、それに突き進んでいました。そして、今でもその状態だと言えると思います。そこに、純花という存在が出てきた。これは、銀子にとってみたら、邪魔な存在のはずなのですが。心の底から、邪魔者は排除だ!と思えたのであれば、苦しみも生まれないはずです。そう、純花に対しても「最初から大嫌いで、最初から大好きだった」と言う状態ではないのでしょうか。何せ純花も、透明でない女の子なのですから。
もうひとつの捉え方として、純花は邪魔邪魔ジャマーだけれども、銀子に架せられているルール「透明な女の子以外は食べてはいけない」
これを守ろうとすると、純花には手を出せません。でも気になる存在である事は確か。純花さえ居なければ、紅羽のスキは自分の方へむくのだから。その気持ちから、後をつけてみたり。と言う行動になったのかもしれません。
どちらにしろ、銀子は純花に対して、嫉妬心は間違いなく感じたはずです。
ここで、蜜子の声が聞こえます。
「あなたは、泉乃純花に嫉妬したのねぇ。あれほど求めた紅羽のスキが、既に他の娘に与えられていた…」
この気持ちも確かにあったとは思いますが、それだけでは無い感情もあったと、私は思っています。
野宿生活の全貌(?)がわかるような回想シーンです。若い女の子が、二人きりで公園の東屋で野宿とか!危険極まりない!のですが、クマですので、そういう心配は無用かもです。警察にも注意されないの?とは思いますが、学園の敷地内?かもですので、問題ありません。
あの日とは、純花が食べられた日のこと。
銀子とるるは、ペアのクマ寝袋の様です。銀子が黒クマ寝袋。るるが茶クマ寝袋。どこで仕入れたのか。ユリストアでは、結構売れ筋のポピュラーな物なのかもですね…w
なかなかキュートです♪
蜜子が、回想で銀子の行動を、丁寧に説明を入れてくれています。なんだかんだと、視聴者に親切な蜜子!さすが委員長です。
「なのにあなたは、相棒にも本心を伝えず、再び泉乃純花に近づいた…」
相棒と言えば、刑事ドラマの相棒を彷彿としますが、ここでは、まったく関係ないはずです。無理やりこじつけるとしたら…。百合も花で、相棒の中にも「花の里」という、右京さん行き着けの小料理屋がある。花つながり…。「暇か?」と聞く課長の、愛用マグカップはパンダ型。クマつながり…。銀子と米沢さん(鑑識さん)の髪型が似てい…いや、そうでもないかも><
ああでも!事件が起きている。と言う点では、似てますね!
蜜子は続けます。
「それは、私の事を警告するためー?」
銀子は答えます。
「そう…そのつもりだった…」
うっかり純花さん。おばあちゃまから頂いた、大事な髪飾りなのに、またまた落っことしてしまいます。紅羽に「忘れん坊さん♪」とか、言えた立場じゃないかも!
ここでまたまた印象的なのは、落とした髪飾りを探す純花を、登校してくる生徒が誰一人として、声もかけない・気にもかけない事です。排除の儀で、純花が指名された後ですから、無視を決め込んでいるのかもしれませんが。本当に、誰一人として見向きもせず、素通りです。
そんな中、銀子は純花の髪飾りを見つけ、それを差し出します。
「これ…」
「ありがとう!見つけてくれて!このピン、見つけてもらったの2度目なんだ。入学式の時も無くしちゃって。その時見つけてくれたのが昨日話した友達なの」
「みつけて…くれた」
「うん。このピンが私に友達を…私にスキを運んでくれた。私の大切なお守り。百合城さん、本当にありがとう!じゃあ約束に遅れるから、急ぐね」
「あっ!まッ…!!」
言い終わらないうちに、純花は走って行ってしまいました。
「先に見つけてもらったのは、私なのに…がうがう…」
紅羽に対する独占欲と、純花への嫉妬心と、少しの競争心。私の方が先。あなたは2番目なのに。そして、寂しさ。色々な感情が渦巻いて居たんだと思います。
そして、銀子もまた、純花の大事なお守りを「見つけて」いるのです。
ヘアピンが、友達を見つけてくれるのであれば、銀子もそうなる可能性・希望がまだこの時点ではあったはずです。
ここで、少々うがった見方をすると、純花は銀子と紅羽の過去の事を知っていないはずですが。もし、もしも知っているとしたら?物凄く計算高い子。と言う事に。紅羽は記憶を失っていますので、過去の事を純花が知る術は今のところないのですが…。
ですが、執拗なほどに紅羽との「スキ」を強調する純花。銀子にしてみたら、嫉妬心を煽られまくりな状態です。純花からすると、あなたと私とでは、立場が違う。今、紅羽の「スキ」を「共有」しているのは、この私なのだから。と言う感じになります。こうなると、とてもドロドロしてしまいそうです>< 銀子とのやりとりの純花は、キラキラしています。物凄く丁寧に描かれていて、まるで天使のような存在と言う事を強調されているのかも?と思うほどに。
「そう…あの時、引き止めていれば…泉乃純花は死なずに済んだ。椿輝紅羽は、大切な友達を失わずに済んだ」
紅羽の悲しむ姿を見ることは、銀子にとっても本意では無いはず。
「私は…純花が…邪魔だったんだっ…!」
銀子は銀子なりに、葛藤してるんだと思います。
「んふふふふふっ」
百合ダークな微笑みを浮かべる蜜子。
「邪魔者は排除する。私たちは欲しい物に、正直であるべきだわ」
「そうか…私は純花が死ぬ事を望んでたんだ」
銀子が、内なる声に耳を傾けるように、自分の本当の気持ちを確認するかのようにつぶやきます。「望んでたんだ」と言う事は、見殺しにした時「邪魔だから」と言う感情には、気づいていなかったと言う事なのでしょうか。望んだではなく、望んでいたんだ。という確認系。だからこそ、食べられている瞬間、見殺しにしている瞬間の銀子の表情は、どこか苦しそうで、困った風だったのかもしれないですよね。
「あなたは、泉乃純花が襲われるのを目の当たりにしながら、見殺しにした…」
「助けられたのに…」銀子の声。
「助けなかった」蜜子の声。
「あの子を食べたのは、私。でも、あの子を殺したのは…」
「私だ…」と言う銀子。
いやいやいや、ちょっとまったー!銀子は「見殺し」であって、殺したのは、蜜子だろ!!と言いたくなるような思考!百合ダークです。罪です!ギルティー!
あなたは罪を犯した…と、銀子の贖罪意識を植え付ける蜜子。銀子も、まんまと自分の事を「罪グマだ…がうがう」と、自らの罪を受け入れます。でも…と蜜子はつづけます。なぜか、脱衣しながら!
「そう、あなたはあの瞬間、欲望の虜になった。嫉妬に駆られ大きな罪を犯した」
「私は罪グマだ…がうがう」
「そうねぇ。でも、生きる為に罪を犯さない生き物は居るかしら?」
「椿輝紅羽は、あなたと言うともだちが居ながら、泉乃純花にスキを与えた」
「ねぇいいこと?この世界で信じられるのは、本当のともだちなんかじゃない。それは私と言う、欲望だけ」
「スキは凶暴な感情。スキは相手を支配すること。ひとつになりたいと、相手を飲み込んでしまう事」
「ひとついい事教えてあげる。あの学園には、もう1匹私達の他にクマが居るわ。とても悪賢いクマよ。私を紅羽に殺させ、百合ヶ咲るるにあなたを裏切らせた。悔しいけど私達は皆、あのメスクマに踊らされて居たって事ね」
「あいつは今、椿輝紅羽を狙っているわ。急がないとあなたは今度こそ、あの子を永遠に失う事になる」
「ごりごりぎゃるるるるる」
蜜子の声と共に、ユリーカのゴリゴリギャルルルルル。と言う咀嚼声が響きます。
この食べられている生徒、紅羽だと思うのですが…。紅羽は他の生徒と違い、制服のスカートは、タイトスカートでした。画像を見る限り、スカートはタイトだと思うのですが…。靴下もストッキングで、靴も場紅羽の身につけている物は、画像の物と同じです。これが紅羽だとしたら、既に食べられている事に。紅羽とは違う別の生徒なのでしょうか。
「さぁ!私と一つになって、あなたのスキを証明するのよ!」
迫る欲望と言う名の蜜子。銀子は完全に、蜜子に洗脳されています。それだけ、心が純粋である。という事なのかもしれません。
そしてクマ状態となり、銀子の中に入り込んでいく蜜子クマ。
「ぎゃうぎゃう!ぎゃはははははは!」
銀子の中に、蜜子が入り込んでしまいました。欲望に身を任せてしまったのでしょう。
そして、今回もまた黒百合が咲き「クマダーク♪」がでました。
クマダークとなり、欲望に支配された銀子。目を赤く光らせています。土偶ではありません。銀子です。
「私はあの子を食べるよ。がうがう」
星のペンダントを、澪愛が銀子に渡す時、澪愛はこう言っていました。
「あなたを守ってくれる」
今、銀子の胸にはペンダントはありません。ペンダントは銀子を守ってくれるのでしょうか。守るとは、一体どういう意味があったのか。
ここまでがAパートでした。大きな謎は残したまま、今までの話数で積み重ねられてきた謎の解明と、おさらいが主に展開しています。
蜜子はやはり死んでいました。蜜子の存在は幽霊であった。というのが、予告からの謎解き。
ただし、なぜ幽霊となって現れたのか、あらたな謎が出てきました。
花壇の緑部分はやはり扉だった。その扉の向こうには「ともだちの扉」という、月と森を分かつ空の場所がある。と言う事。8話で、澪愛が銀子を見送った場所も、きっとこの扉だったのですね。あらたな謎として「ともだちの扉」と言う場所の具体的な意味。
告発状の差出人は、ユリーカでした。この解明が1点。ただ、銀子とるるが居候していた事、るるが告発状を手にするだろうと言う事がなぜわかったのか?と言う謎は残りますが、ここは大筋の中では、どうでもいい点かもしれませんし、最後の最後ですべての謎が「夢だから」と言ったような事でオチつけられる可能性も、多少なりとも残っているかもです。
純花に関しては、より具体的により明確に「あの日」の出来事が描かれていました。銀子と純花の関わりも。純花の髪飾りは、純花にとっての「星のペンダント」です。それを見つけたのは、紅羽と銀子。銀子の嫉妬が、大きく切り出されては居ましたが、この「見つける」という行為は、とても意味があった様に思います。
スキと言う感情は、止められない物です。その感情を、我慢しようとしても、押し殺そうとしてもコントロールの難しいモノ。だから、銀子は蜜子に入り込まれてしまったのかもしれません。
るるはAパートではほぼ登場しませんでしたが、やはり嫉妬から紅羽に、真実を打ち明けてしまったのでしょうか。
そのあたりも気になります。
Bパートは、またその2で書き出したいと思います。