ユリ熊嵐 12話(最終話)~ユリ熊嵐
「ありがとう」
最終話を観て、この2,3日まさに6話の純花状態。
「難しいな。何から書こうかな」
ユリ熊嵐と言う物語を観て、感じ方は千差万別だと思います。それは、素晴らしい形で「余韻」を残したからこそ。決して有耶無耶にしてる訳でもなく、物語としての結末は、綺麗に提示して下さっています。なのに、余韻が残っている。それプラス、観ている人それぞれが、きっと二人はこうなったんだろうな。と想像出来る。しかもそれは全て、決して間違いではないのです。それぞれが正解でもあり、その人それぞれが感じる・思う事が、ユリ熊嵐の中の「真実」でもあると思います。
こう言った事は、やろうと思ってもなかなか出来ません。
ですので、私如きがあーだこーだ書くのは、物凄く無粋で、意味の無い事かも知れません…。
でも、ここまで書いてきたのですから、私なりの解釈…と言いますか、感じたことを(厚顔無恥なのは承知の上で…><)書いていこうと思います。開始早々、椿輝邸には立ち入り禁止のテープが貼られていました。少々不気味に浮かび上がる椿輝邸。ヒトから見たら、クマとヒトが居た場所として、恐ろしい場所…蝶子の言葉を借りるのであれば、汚らわしい場所。というニュアンスがあるのかも。
ですが中には、紅羽や銀子、るるにとっては、お互いを受け入れ思い合うう気持ちがありました。外からでは見えない暖かな気持ち。3つ並んだマグカップが、それを如実に表していました。これだけのシーンなのに、描かれてはいなかった銀子・るる・紅羽が、きゃっきゃっ言いながら過ごしていたんだろう日々を彷彿とする絵です。
「銀子、くれちん。ありがとう。るるは、二人の事が大好きだよ」
「スキ」を伝える事が、こんなにも胸打つ事なのか…。と琴線を震わせにかかってきます。まだ序盤なのに。
今回はOPがありませんでした。
ですが「ユリ熊アアアアアアアアアアア」からの「ユリ熊嵐」ガオー!!はありました。大事です。
高く聳える「断絶の壁」 工事音が響いています。まだまだ作り続けられて居るようです。どれだけ築いても、築き足りないのでしょう。
嵐が丘学園の屋上では、銀子が囚われています。KMTGマークの入った手錠を掛けられて。そして、三角形の先端に立たされています。チョー危ない!んですけど。
そして、恒例(?!)の排除の儀を始めだします。台詞もお馴染みの「空気を読めない~」と言うアレです。
少々台詞が増えましたが。
「ヒトとクマは断絶されています。それなのに、その壁を越えようとするモノが居ます」
そして、また悪を決めていく。お決まりのシーンとして、排除の儀はある意味、大活躍でした。
最終話では「レッツ・サーチ・イーヴィル」に戻っています。
ランキングも、様変わりしました。名前を指定するのではなく、排除排除排除、悪は排除!です。
「セレクト!悪は決定しました。皆さん、準備はいいですね?」
蝶子がそう言いますが、結論ありきな結果なのでセレクトかどうかは疑問です…。
「メガクマエネルギー 充填開始!」
撃子がメカ・このみの操作を始めます。焦点は屋上の先端に立つ銀子。
「ビリビリ…ゲスゲェェェェス!」
慣れとは怖いものです。初登場のメカこのみを見た時は、酷い!!と思ったものですが、見慣れてくると「ゲスゲス」と言う言葉も、楽しんでいる様に聞こえてきてしまいます。
そして、どんどんエネルギーが充填されていくメガクマ砲。
「アレで撃てば、チョー!木っ端微塵。あっと言う間にクマは消滅する」
蝶子の言葉に、紅羽が「まって!」と止めにかかります。
「まって!悪は私のはずでしょ?!なら、私を排除すればいい!」
紅羽の言葉に、クスッと小さく笑う蝶子。
「そうね。勿論、そのつもりよ?」
ユリダーク♪
「これはあなたへの罰。あなたが友達を殺すのよ!この世界のルールを守れないあなたは、悪よ?私達は透明であらねばならない。」
蝶子の強い信念たるものが伝わります。例えそれが、間違っていようがそうでなかろうが。彼女の価値観を否定すべきものは、正直この世界にはありません。ただ、必要だから存在する価値観だとしか。観ている私たちには、愚か者だなぁ。と映ります。ですが実際、蝶子の立場ならば、どうするでしょうか?
異端分子として描かれている紅羽は別としても、それ以外にも疑問を感じていたり、関わりたくない。と思う存在もあるとは思うのですが、そういう者は一切描かれていない怖さ。というものは感じずにはいられません。
暫く蝶子と紅羽が睨み合いますが、紅羽が口を開きます。
「透明になって…誰があなたを見つけるの?」
紅羽の言葉に、ふふっと笑うだけの蝶子。蝶子は何を思ったのでしょう?
そこへ、「トモダチ?」と言う銀子の声が。
「馬鹿を言うな。その娘は私のトモダチじゃない。がうがう。私は椿輝紅羽を食べにきた。それだけだ…。紅羽は私の獲物。トモダチだと思ったことは、一度も無い!」
「銀子…」
「椿輝紅羽は、私のトモダチじゃない!!」
それを聞いた蝶子が、何かを言おうとした瞬間、紅羽が声を上げます。
「嘘よ。そんなの嘘よ」
言って立ち上がる紅羽。
「だったら何故、あなた壁を越えてきたの!?」
一瞬たじろぐ銀子。ですが苦しそうに答えます。
「お前を…食べる為だ…がうがう」
「それなら何故、私の傍にいてくれたの?」銀子の傍に歩いて行く紅羽。
「あなた達は、透明な嵐から私を守ろうとしてくれた」
「食べる前に、透明になったら美味しくないからだがう」
「もういいの。銀子…あなたは最初から、私のトモダチだった。壁を越え、透明な嵐の中、私を見つけてくれた!スキを与えてくれた!」
紅羽の言葉に、表情が歪む銀子。どれだけの時を重ねて、どれほどこの言葉を待ち望んでいたのか。それを見てきた者からすると、まだ序盤の方だというのに、グッと胸に詰まるものを感じずにいられません。
ですが銀子は、否定します。
「違う!!私はお前の敵だ!お前を食べにきた!」
瞬間、風が百合の花びらを運んできました。そして…銀子の手錠ははずれ、姿がクマに戻ってしまいます。
「私は…クマだ」
それを見た蝶子は、「クマが正体を現したわね!さぁ排除よ!」と、号令をかけ、それに習う様に銀子へと銃口を向ける生徒達。
どこからともなく手拍子と同時に「ハイジョ!ハイジョ!ハイジョ!」と言う声が響いてきます。
その声が紅羽の記憶を呼び起こしたのかも知れません。
「今、全てを思い出したわ…」
幼少時の紅羽の回想へとシーンは変わります。残酷な子供たちの排除で、ボロボロになり気絶していた紅羽。今回はその続きでした。
「どうして?この子がクマだから、承認されないの?クマだから行けないの?もし…もしこの子がヒトの女の子だったら、ずっと一緒に居られますか?銀子の事を守れますか?教えてください。クマリア様」
そしてまた、現時間へと場面は変わります。
「そう…約束のキスを望んだのは…私だった!!」
その言葉を聞いた銀子は、体をビクッと震わせます。瞬間、スマートフォンからの着信音、フォールルルルルが鳴り響きます。映し出されたスマートフォンのデザインは、紅羽のもの。手錠されてるのに、どうやって電話に出るの?!と思っていたら…。
次のシーンで、紅羽は断絶のコートの階段上に立っていました。
そして、1段1段降り始める紅羽。通話口の向こうからは、セクシーの声が。
「椿輝紅羽。これは、断絶の壁からの挑戦です。あなたのスキはホンモノ?」
「ええ…。ホンモノよ」
るるの回想の声が響きます。
「裁判所で、彼らに承認されれば、クマは女の子になれる。だけどそれには、一番大切にしているものを手放さないといけないの」
「これはるるの勝手な考えだけど、きっとその時、銀子はるるちんに貰った「スキ」を手放したんだ」
その回想の声に紅羽が答えます。
「るるちゃん、違ったよ。願いを叶える為に、スキを手放したのは銀子じゃない。それは…」
断絶のコートの扉前に着いた紅羽。そして、コートの扉が開かれて行きます。記憶の扉が開かれるように。
「それは…私だったの」
断絶のコートの被告として立っていたのは、幼少時の紅羽でした。
幼少紅羽が望んだこと。それは、銀子と一緒に居たいから、銀子を「人間の女の子にしてほしい」と言う事。
クールが「傲慢!ギルティーです!」と、申し立てをしますが、小さな紅羽には、「傲慢」が理解できません。
「つまり~百合城銀子の姿をかえちゃおうって事。だよねぇ?」
ビューティーに聞かれて「仕方ないわ。だって…クマはハイジョされてしまうもの」と言う紅羽。
「それに銀子だって、ヒトになった方が幸せだわ」
「うわぁ~自信があるねぇ~~きらきらぁ~」
「だからそれが、傲慢だと言っているのですよ」
「傲慢だっていいわ!お願い、銀子をヒトの女の子にしてください!」
「いいでしょう…。ですが、ひとつ条件があります。あなたに、スキを手放してもらいます」セクシーが言い
「要するに、君は銀子を忘れちゃうって事さっ」ビューティーが補足をし、もう一度セクシーが説明をします。
「目が覚めた時、あなたは彼女を、拒絶するでしょう」
「拒絶?」
このやり取りを、大きく成長した現時点の紅羽が見ています。
「あの日、私は願っては行けない事を願ってしまった」
「愚かにも、身勝手な自分のスキをホンモノだと信じて…」
セクシーが続けていいます。
「待つのです。やがてその時が来るでしょう。透明な嵐が訪れた時、あなたは百合城銀子を見つけます」
続いてクールが。
「再び彼女とトモダチになり、約束のキスを交わす事が出来れば」
続いてビューティーが。
「君達は、ずっと一緒に居られるよ。きらきらぁ~」
そして最後、セクシーが問います。
「あなたは百合城銀子をヒトにしますか?それとも、スキを諦めますか?」
答えは
「私はスキを諦めない!!銀子をヒトの女の子にして!」
るるちゃん…。私は一番大切なモノと引き換えに、銀子をヒトの女の子にしたいと願ってしまった。
そう、これが「紅羽の罪」でした。
確かに「傲慢」です。自分の価値観の押し付けでもあります。ですが、小さな子供の発想です。ある意味において、とても純粋でまっすぐな想いでもあります。小さな子供の限られた世界では、クマの世界がどうだとか、断絶がどうだとか、傲慢がどうだとか、理解できるはずもないのです。
この願いが、自分勝手で傲慢だと言うことを理解するには、やはり時間と成長、経験が絶対的に必要不可欠です。ヒトは過ちを犯しますが、それに気づけた時、修正だって出来るのです。今まさに、紅羽は気づきを手にし、修正しようとしているのかも知れません。そして、時を待て。というのは、透明な嵐が吹き荒れるから。というよりは、紅羽の成長を待ったのかも?とも受け止められます。だって、透明な嵐は、いつだって吹き荒れていて、それに巻き込まれたからこそ、幼少紅羽は、断絶のコートに立って居たのですから。そして、排除する側「透明な嵐」側にも、この「傲慢」は少なからずあったのではないでしょうか。透明になれば、排除されない。だから透明であるべきなのよ。という押し付けとルールが。
銀子は、言っちゃだめルールを課せられていたのに、言ってしまっていました。ですが本当は…そう「真実」は言ってはいなかった。ルールは守っていたのです。本当のことは、思い出して貰わないと行けない。これも、課せられたルールでした。これも守っていました。
ただ、銀子もあの時、同じ様に断絶のコートに立っていたのかもしれません。
二人の願いは同じだったのかも。
ここまでがAパートでした。
皆が愚かな罪を犯している。でもそれは、誰かを思うからこその罪。
紅羽が言っていた「愚かにも、身勝手な自分のスキを、ホンモノだと信じて…」
ここには、一方通行な思いはホンモノではない。お互いがお互いを想いあい、与え合える事こそが「ホンモノ」と言う意味があるのはないでしょうか。
自分本位のスキは「ホンモノ」ではありません。都合がいいだけです。
そうすると「片思い」は、偽者なの?思い続けるのって、偽者なの?ってなりますが、スキにはそれぞれ形があります。そのスキが、時として相手には伝わらないこともあります。だからといってそれが偽者と言う訳ではないと思います。
大事なのは「自分勝手」では無いか?と言う事。相手の気持ち・立場・価値観も受け入れる事ができるのか?と言う事ではないでしょうか。それを踏まえた上で、スキだからこそ、諦める。と言うのも時として大事なのだと言う事も、私はあるとは思います。
ここでいわれる「ホンモノのスキ」は、キスに繋がるスキであって、片思いと言うモノの否定や、スキの正否を問うている訳ではないと思います。ただひとつの「スキ」の形を提示している。そう受け止めるのがいいのかな?と。
ホンモノは、お互いが触れ合い、与え合え、気持ちを共有出来る事。ここへ繋がって行くのではないでしょうか。だから、嘘ではない証明として、虚構の世界の象徴「鏡」を打ち破る事で、ホンモノの証明が出来るのだと思います。そこに映るのは自分自身。自分と対話した時に、自分の中にある傲慢さをも破り捨てて。虚構の中にあるスキではない証明として。
Bパートは、怒涛すぎて、まさに何から書いたらいいんだろ…な純花状態です><
たぶん、すっごく長くなると思います><ので、続きはまた、分けて書き出せたらと思います。